たまに、心の奥から湧き上がるような感情が
欲しくなることがあります。
どうにもできない感情が、押し寄せるような
文庫本を、無性に読みたくなるんです。
平凡な毎日の中で、感動のストーリーに共感し、
温かな感情で心を満たしたい。
1冊の文庫本を読み終えた時の、清々しさや
感動は、心を穏やかにしてくれますね。
感動の余韻を味わいたくて、すぐにでも
読み返したくなる、感動のおすすめの文庫を
紹介します♪
西の魔女が死んだ
梨木香歩さん著書の小説です。
「西の魔女が死んだ。」という書き出しから
物語が始まります。
タイトルからは、一見ファンタジーなのか、と
感じさせますが、その期待は裏切られます。
主人公の女子中学生は、学校生活や人間関係に
つまづき、環境を変えるため、母方の祖母に
預けられることに。
英国人の祖母は、自然の中で生きる知恵と、
純粋に命を考える暮らしをする「魔女」。
少女は、祖母の下で魔女修行をすることになり、
少女は生きること、死ぬことについて考え、
成長していく物語です。
しかし、魔女が言う「死ぬということ」を
理解できないまま、両親とともに祖母のもとを
後にします。
最後のクライマックスで、少女は魔女の言う
「死ぬということ」の意味を知ります。
少女と同じように、私自身にも「死」について、
特別な感情が芽生えました。
自然の中で織りなす、魔女との修行生活と、
少女の思春期の揺れ動く瑞々しい感情が、
爽やかな読後感を運んできます。
ふたり
赤川次郎さん著書の小説です。
赤川次郎さんといえば、ミステリーが有名です。
不慮の事故で亡くなった高校2年生の姉の声が、
ある日、妹の脳内で聞こえるようになります。
妹の周りで、次々と起こるよくない出来事に、
姉の助言によって、妹が成長していく物語です。
大好きな家族であっても、気づいてしまった
ダメな親という、現実が悲しい。
お互いを傷つけ、傷つけられても、やっぱり
家族だから、大好きだから、繋がりを捨てない。
姉と共に成長した少女が、姉の年齢を越す時、
姉との関係性が変わり、少女は大人になる。
姉の気持ちに共感し、涙が出ました。
誰かを見守る気持ちの深さに感動です。
手紙
東野圭吾さん著書の小説です。
本格的なミステリーなど、様々な作風で読者を
魅了し続けています。
殺人犯の兄を持つ高校生の弟が、背負った
運命にもがき、結論を出すまでの物語です。
殺人を犯した兄のために、弟はあらゆる場面で、
差別を受け、加害者の家族の現実を知ります。
社会は、加害者の家族に対して「差別は当然」
というセリフに、悲しさを感じました。
加害者の家族であっても、守るべき家族が
できた時に、弟はどんな結論を出すのか。
罪を犯した人の罰とは、被害者への償いとは、
加害者の責任とは。
最後まで、重苦しい気持ちで読み進めるが、
ページをめくる手を止められませんでした。
最後の手紙、あまりの感動で、ボロボロと
泣いてしまいました。
永遠の0
百田尚樹さん著書の小説です。
太平洋戦争で特攻隊員として、この世を去った
祖父について調べる青年が、戦友会の証言から
祖父の真実を知る物語です。
フィクションでありながら、戦時中の情景が
目に浮かぶような、臨場感と息苦しさでした。
妻との約束を果たすために、必ず生きて帰る、
そこまで生きることに執着した祖父が、なぜ
特攻に志願したのか。
戦友の証言から、祖父の真実が明らかになるに
つれて、様々なことがつながっていきます。
真実が解き明かされた時、大きな感動が
押し寄せ、涙しました。
戦争は二度と起こしてはいけない、
そう感じさせる重く、切ない物語です。
おわりに
実は、紹介した4作品共、映画化されています。
それほどまでに、魅力的な作品なのですね。
テーマがしっかりと、私の心に入ってきて、
面白かった、の一言では表せないのです。
ずっしりした重みの中にも、心が揺さぶられる
感動のある文庫です。
おすすめした作品、最初の感動もさることながら
何回か読み込むうち、捉え方も変わってきます。
また、読み直してみるつもりです♪
何回読んでも、感動です!
おすすめですよ♪
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