「マスキング」という言葉は、いろんな場面で、
よく耳にする、単語ですね。
マスキング(masking)という英語には、
「覆い隠す・包む・保護する」という、
意味があります。
車やプラモなどの、塗装の際にもよく使う、
基本的なテクニックですが、水彩画を描く時にも、
同じように「マスキング」という、技法があるのです。
では、水彩画におけるマスキングとは、どのようなものか、
また、その使い方について、お話ししていきましょう。
マスキング=白抜き
水彩画で使われるマスキングとは、絵の具をつけずに、
白い部分を残す、技法のことです。
子どもの頃、紙に白いクレヨンで書いた上から、
水彩絵の具を塗り、クレヨンが絵の具を弾いて白く残る、
という絵を描いたことはありませんか?
それと同じで、絵の中に「絵の具が乗らない部分」を、
意図的に作るのが、マスキングです。
では水彩画で、マスキングを使うと、
どのような仕上がりに、なるのでしょうか?
抽象画ですが、見る人によっては、
しぶきを上げてうねる、海のようにも、
宇宙から見た、地球にも見えるかもしれません。
真っ白く抜かれた部分に、マスキングを使用していますが、
その周辺の筆の線は、途切れることなく流れています。
マスキングを使えば、水彩独特の筆のタッチも崩れず、
周囲の色もにじませず、美しい白をくっきりと、
残すことができるのです。
マスキングに必要なアイテム
マスキングには、専用の液を使います。
マスキング液、またはマスキングインク、
と呼ばれるもので、液状のラテックスゴムなので、
乾くと、ペリペリと紙から剥がせるのです。
日本では、画材屋でもネット通販でも、
ホルべイン社製と、クサカベ社製のものが、
手に入りやすいようです。
どちらも600円~700円と、
お手頃な値段で、手に入ります。
2つ目に、用意しておくべきものは、
マスキングインククリーナーです。
これは、筆に付着して固まった、マスキング液を溶かし、
筆をきれいに洗浄するための、アイテムです。
マスキングを使う時の筆は、柔らかい動物の毛よりも、
コシがあり液もはがれやすい、ナイロン製のものを、
おすすめします。
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マスキングの使い方と手順
ではいよいよ、マスキングの使い方を、
説明していきましょう。
- 絵の中で、マスキングしたい部分を決めたら、
マスキング液を筆につけ、線や形を描く - マスキング液が乾くまで待つ
- ほかの部分や背景などを描く
- 全体を書き上げ、絵の具が乾いたら、
マスキングした部分を剥がして完成
マスキング液がしっかり乾いていれば、マスキングの上に、
筆を置いても問題ありません。
指の腹か、消しゴムで優しく端を擦ると、
そこから、ペリペリと簡単に剥がせます。
くっきりとした白を残す、マスキングは、
水彩画独特の、透明感のある世界に、
美しいアクセントを、添えてくれます。
決して、難しい技法ではありませんので、
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね!
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