今や国民病とも言われる糖尿病。その予備軍も合わせると、患者数は1000万人を超えるとも言われています。今のところは糖尿病の心配がなくても、年を重ねればリスクも増していきます。とても他人事とは思えません。
糖尿病を発症すると飲み食いの節制や合併症の心配もあります。できるだけ糖尿病と縁のない生活を送るためには、どんなことに気を付ければよいのでしょうか。
糖尿病ってどんな病気?
糖尿病は、血糖値を下げるために膵臓が分泌するインスリンというホルモンがうまく作れなくなり、慢性的に血糖値が高くなってしまう病気です。
あまり自覚症状がないため、健康診断などで糖尿病と診断されても、治療をせずにそのまま放置してしまう人も多いようです。
血糖値が高いだけならば、すぐに健康を脅かすものではありません。けれども、血糖値や血圧が高いままの状態を長く続けていると、網膜症や腎臓不全などの合併症を引き起こしてしまう危険性があるのです。
具合が悪くないからといって治療もせずに放置しておくことは、とても危険な病気なのです。
糖尿病の治療法は?
危険因子である血糖値、体重、血圧などが上がらないように上手くコントロールすることが出来れば、糖尿病の合併症は予防することができます。
コントロールの方法には、食事療法・運動療法・薬物療法の3つがありますが、食事療法は特に大切な治療法です。Ⅱ型糖尿病の場合、約7割は適切な食事療法でコントロール出来ると言われています。
食事療法の基本は以下の通り。
- 適切なエネルギーの摂取
- たんぱく質・炭水化物・脂質を正しい配分で摂取すること
- 規則正しい食事時間
そこで大切になるのが、野菜を摂ることです。
低カロリーでビタミンやミネラル、食物繊維が豊富な野菜は、生活習慣病の予防にとても大事。糖尿病の場合、食後血糖値の上昇を抑える働きがある食物繊維をとることが特に大事だと考えられています。
野菜の摂取、必要量は?
理想的と言われる野菜の摂取量は、1日に約350g。食物繊維は毎日20~25gほど摂ると良いとされています。
ところが厚生労働省が行った「国民健康・栄養調査」によると、60歳代を除きすべての世代がこれに届いていないという結果に。
糖尿病が疑われたら、まずはこの摂取量を目標に食事療法の目安にするとよいでしょう。
一日に摂取すべき350gの野菜は、農林水産省の調査によるおかずに含まれる野菜の量から具体的に表すとこんな感じに。
◆主菜(大皿)
野菜炒め 140g
◆副菜(小鉢)
ほうれん草のおひたし 70g
野菜サラダ 70g
かぼちゃの煮もの 70g
いつも使っている器に野菜を盛って量感を覚えておくのも効果的です。食品用のスケールでいつも器に盛った野菜を計り、じゅうぶんな量が摂れているかどうか確かめてみましょう。必要な量を調べる目安になります。
また、野菜を食事の最初に摂取することで、血糖値の上昇が緩やかになることも知られています。
さいごに
糖尿病の食事療法では、食べていけないものは特にありません。
その代わり、量や栄養バランスには気を付けたり、食べる順番を考えなくてはいけません。以下に挙げるような、毎日のちょっとした心がけが意外と大切になります。
- よく噛んでゆっくり食べる
- 朝・昼・夕の三食を規則正しく食べる
- 食材はバランスよく食べる
- 腹八分目でやめておく
- 深夜や寝る前には食べない
これらの習慣は糖尿病の対策のみならず、ダイエットや健康的な生活な生活の基本にもなりますね。
血糖値のコントロールができていれば、糖尿病を患っても平均寿命を超えることが出来ます。毎日の心がけて、上手にコントロールしていきましょう。
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