私たち夫婦の親も、あと数年すれば80代となります。今のところは、体の不調を訴えることもあってもほとんど入院することもなく元気に過ごしているので、子供としても平穏な日々を送らせてもらっています。
しかし先日、親のこれからのことを考えさせられる出来事があったんです。親世代のご近所さんが不慮の事故で突然亡くなりました。残された奥さんは、すっかり気落ちしてぼんやりしていることが増えたんだそう。
もしも、父と母のどちらかが一人になり、認知症などで自分のことや生活の判断ができなくなってきた時のために、先々のお金の管理についても考えていかないといけないな、と思うようになりました。
以前、耳にしたことがある「成年後見人制度」についても、よく調べてみたいと思っていたところです。もし、弁護士に後見人をやってもらう場合には、報酬の相場はどれぐらいになるのか調べてみました。
成年後見人制度とは?
成年後見人制度とは、認知症などにより判断能力が低下してしまった人の手助けをする人を家庭裁判所から選任してもらう制度のことをいいます。
制度には2種類あります。
- 法定後見制度
認知症などで判断能力が低下したことがわかった後に、法律に則って後見人を決定する制度 - 任意後見制度
手助けを受ける本人が判断能力の低下の状態になる前に、契約によってあらかじめ権限を与える人や内容を決めておく制度
後見人は、その対象となる人の利益のためにある制度になります。認知症となって様々な判断力が低下したとはいえ、本人の意思を尊重し安心して生活が送れるように、第三者として業務を行わなければなりません。
実際に行う仕事には、こんなものがあります。
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後見人の主な仕事
後見人に決定すると、本人の財産についての調査や後見人となったことを金融機関などへの届け出、生活プランを立てるなどしっかりと取り組むべきことが数多くあります。
その後の本人の人生に関わり、以下のような仕事をするようになります。
- 財産管理事務
- 預貯金や不動産、有価証券などの管理
- 生活費の管理
- 税金の申告や納税
- 身上監護事務
医療や住居、介護サービスなどの契約手続き - 家庭裁判所への報告
年に一度、または家庭裁判所に求められた時にはいつでも書類をそろえて報告しなくてはならない
そして、後見人の仕事は本人の死亡後の相続の引継ぎ、家庭裁判所に最後の報告をもって終了します。このように、後見人とは、細かな書類の整理や多岐にわたる管理を行います。
そのため、法律に明るい弁護士が後見人として就くことは、本人に有利になるよう制度を組み合わせたり将来の遺産分割、親族の負担を減らすなど大きなメリットがあります。
もしも、弁護士を後見人に就けた場合には報酬の相場はどれぐらいになるのでしょうか?
弁護士が後継人となった場合の報酬の相場
後見人の報酬は、その対象の本人の財産から支払われることになります。弁護士の場合には、大体これぐらいが相場だと言われているんですよ。
相場は月額2万~6万円
弁護士などに支払う後見人の報酬額は、後見人本人が決定して請求できるものではなく、家庭裁判所によるものとされています。報酬額を決定する時に基本となるガイドラインがあり、制度を受ける本人の管理財産によっても違ってきます。
主な基本報酬は、制度を受ける人の管理財産が
- 1,000万円以下の場合は、月額2万円
- 1,000万円~5,000万円の場合は、月額3万~4万円
- 5,000万円~の場合は、月額5万~6万円
というように決められています。
付加報酬
また、身上監護などで複雑で特別な業務に携わる場合には、基本報酬の50%の範囲内の報酬を受けることができます。例えば、本人が多数の収益不動産を所有していて管理が複雑である場合などになります。
さらに、本人に利益となるような状況になった場合にも、その行為に相当する報酬を得ることができます。例えば、不法行為を受けたことで起こした訴訟に勝訴し、本人の管理財産額を1,000万円増加させた場合には、約80万~150万円の報酬になります。
まとめ
今の段階では、親の財産がいくらあるのか知りませんし、そんなことを聞くのもなんだか嫌な感じがして聞いたことがありません。両親が元気なうちは、できるだけ自分たちで管理してもらえると頼もしいのですが、いざとなった時にどうするのか考えないといけませんよね。
今までよりも確実に高齢化社会が進む世の中で、後見人制度を利用する人はもっと増えると言われています。現在でも、最高裁判所の調査によれば約20万人以上の人が後見人制度を利用しているとのことなんです。
親族が後見人になることで生まれてしまうトラブルもあるので、これからは弁護士に頼る人も増えてきそうですよね。
ただし、毎月出費するの報酬のことを考えると、我が家の場合はその管理財産に見合うのか・・・、ということなんですよね。この話は、親本人たちとゆっくりと話をしておく必要がありますね。
早くにこの制度のことを知ることができて、考える時間もあるのでよかったです。有効に利用できるよう、検討していこうと思います。
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