先日、久々にやってしまいました。仕事上のチョンボ。上司からシブい顔で注意喚起を促され、天気はいいのに気分は超ブルーです。
あああ、ここんとこ調子よくノーミスだったのに、なんで~…と落ち込む私に、後輩Kくんが一言。
「全くミスなしで間違いなしで辿り着いたとしても、深みは出ないんですよ、先輩」
「なにそれ?」
「イチローの名言です」
はあ?
いやあのそんな…いきなりそんなビッグな人と一緒にされても…と思ったのですが、言われてみると一理あるなあ、と納得。
で、ちょっと気になったので、この落ち込みモードを払拭するために、イチローのいろんな名言を調べてみることにしました。
イチロー、栄光の足跡
イチローといえば、日本野球界とメジャーリーグの双方で大活躍の、国民的野球選手。知らない人の方が少ないのではないでしょうか(というか、知らない人に会ったことがない)
1991年、神戸のオリックス・ブルーウェーブにドラフト4位で入団。入団3年目から頭角を現しはじめ、その年、69試合連続出塁、1シーズン210本安打をという、日本プロ野球の新記録(当時)を樹立し、見事MVPを獲得しました。
その翌年がさらに凄く、安打、走塁、守備、打点等、6冠のタイトルを総ナメにします。またこの年から7年連続、首位打者のタイトルを保持し続け、イチローの前にはもはや敵なし、無人の荒野が広がるのみ、とまで言われたものです。
日本で数々の野球記録を塗り替え、その常識を覆した後、2001年にはメジャーリーグに挑戦。シアトル・マリナーズに入団し、1番打者としてスタートを切ります。
当時、イチローの打撃は日本野球では通用してもアメリカでは通用しない、という否定論が多かったのですが、1年のシーズンが終わってみれば、なんと、首位打者と盗塁王のタイトルを獲得し、見事、新人王とMVPに輝きます。
メジャーで活躍する日本人ピッチャーはいても、野手での成功例はなかった時代。そのなかでのイチローの目覚ましい活躍ぶりは、日米の野球ファンを驚愕させ、熱狂させました。
しかし!ここで終わらないのが、イチローが天才と呼ばれるゆえんです。その後も彼はマリナーズでレギュラーを張りながら活躍を続け、気が付けば、なんと10年連続シーズン200本安打のメジャー記録を樹立してしまうのです。
しかもその10年のうち、2004年には262安打を放ち、シーズン最多安打としては84年ぶりにメジャー記録を塗り替える、という大偉業まで達成しています。まさに世界的スケールのスーパーヒーローです。
打撃だけではなく、足も速く、メジャーでの盗塁成功率は8割を超えています。守備でも「レーザービーム」と呼ばれた、強肩を活かした送球で、何度も捕殺を成功させ、観客を大いに沸かせています。まさに走攻守揃った、天才野球プレイヤーですね。
言葉で味わうイチローの思想
では、そんなイチローは、どのような素晴らしい名言を残しているのでしょう?とにかく列挙し始めるとキリがないので、10個に絞って味わってみようと思います。
- 【その1】
特別なことをするために特別なことをするのではない、特別なことをするために普段どおりの当たり前のことをする。
- 【その2】
今自分にできること。頑張ればできそうなこと。そういうことを積み重ねていかないと遠くの目標は近づいてこない。
- 【その3】
努力せずに何かできるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうじゃない。努力した結果、何かができるようになる人のことを「天才」というのなら、僕はそうだと思う。人が僕のことを、努力もせずに打てるんだと思うなら、それは間違いです。
人は他人の華やかなことには目を奪われますが、地味な姿にはあまり注意を払いません。そのため、アスリートが素晴らしい成績を残したとき「やはり天才だから…」のひとことで片づけてしまいがちです。
が、それは真実ではない。そこに至るまでの努力の経緯こそが重要なのだと、彼は主張しているのですね。
日々の小さな努力、そしてそれを継続していくことの大切さに気付かせてくれる名言の数々です。
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- 【その4】
逆風は嫌いではなく、ありがたい。どんなことも、逆風がなければ次のステップにいけないから。
- 【その5】
思うようにいかない時にどう仕事をこなすか。これが大事です。
- 【その6】
苦悩というものは前進したいって思いがあって、それを乗り越えられる可能性のある人にしか訪れない。だから苦悩とは飛躍なんです。
スポーツ選手はケガとスランプとプレッシャーとの戦いです。そんなとき、いかに前向きな志向で乗り切るかを、彼は常に考え実践しているように思います。
焦らず腐らず、逆境をむしろチャンスだと考える。難しいことですが、それができるのも、彼が常日頃から前進する努力を怠っていないからこそ、なのでしょう。
- 【その7】
やってみて「ダメだ」とわかったことと、はじめから「ダメだ」と言われたことは、違います。
- 【その8】
第三者の評価を意識した生き方はしたくない。自分が納得した生き方をしたい。
- 【その9】
自分のできることをとことんやってきたという意識があるかないか。それを実践してきた自分がいること、継続できたこと、そこに誇りを持つべき。
- 【その10】
何かを長期間、成し遂げるためには考えや行動を一貫させる必要がある。
日本野球時代のイチローは「振り子打法」と呼ばれる独特のフォームで、ヒットを量産しました。が、当初この打法は打撃コーチに真向から否定され、矯正することをたびたび指導されたということです。
それでも彼はフォームを変えませんでした。結果、7年連続の首位打者に輝きます。自分の信念に基づき、納得できない意見には妥協しない。強い精神力がなければ、なかなかできることではありません。
そこには、信念を裏付けるためのたゆまぬ努力と、常に自分自身と向き合う厳しい姿勢がうかがえます。ちょっとラクしたいな、少しサボってもいいかな、という甘えを徹底的に排除してきたからこそ、安易に人の言うことに左右されないのでしょう。
おわりに
はあ~調べれば調べるほど、イチローの偉大さに圧倒されますね。しかも彼の凄いところは、長いプロ野球生活のなかで、常に主張が一貫しているということ。考えにブレがないんですよね。本当に素晴らしいことです。
ちなみに私を励ましてくれた後輩Kくんは、イチローの名言を座右の銘にしているのだとか。どの発言?と聞いてみると、
「上から色々言われて、納得せずにやるなんてナンセンス」
……え? そこ?
その前にキミ、努力してる?と思わず心の中で叫んでしまったのでした。
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