消しゴム付き鉛筆の幻の特許話!実用新案ってナニ?

夏休みの宿題で出される発明工夫

「こんなの出来たら便利だな。」
と考えたことを作品に仕上げる
創意工夫が必要な宿題です。

 
考えながら鉛筆をくるくる回して、
はたと気が付く小2の息子。

「この鉛筆の先に消しゴム
ついてるの
って、発明工夫でしょ?

最初に考えた人って、鉛筆と消しゴム
くっつけただけで特許とれたの?」と、
冷めた発言。

夫が、「消しゴム付き鉛筆は、
最初は特許とれたけど、
その後無効になったんだ。

そういう既存の物をくっつけて便利にした
工夫は、実用新案って言って特許とは
別なの。」と説明をしてくれました。

 
何でしょう?そのジツヨウシンアンとは?

そこで、夫から消しゴム付き鉛筆の特許話と
実用新案について、
話を聞いてみることに
しました。

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消しゴム付き鉛筆ストーリー

消しゴム付き鉛筆は、1858年に
アメリカで誕生しました。

生まれた背景と、その後の
特許話までを見てみましょう。

 

消しゴム付き鉛筆はこう生まれた

発明した人はアメリカ人の
ハイマン・リップマンという画家です。

デッサン中に、しょっちゅう消しゴムを
無くしてしまい、探すのが面倒なので、

鉛筆の先に消しゴムをくっつけることを
思いつきます。

 
今までにない斬新なアイデアで、
大ヒット商品となりました。

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幻の特許

その後リップマンは、10万ドルで
この特許を売って大儲けをします。

が、これ以前に別のやり方で消しゴム付き
鉛筆を考案し特許を取ったエバーハード・
ファーバーに特許侵害で訴えられることに。

 
両者の間で特許紛争が起こりますが、
消しゴム付き鉛筆の特許自体を無効とする
判決が、連邦最高裁で出されます。

消しゴム付き鉛筆は、
既存の物の組み合わせでしか無いため、

アイデア自体は目新しくても、
新しい物を世に生み出した、
とは言えないと判断されたのです。

 

実用新案とは?

消しゴム付き鉛筆のように、既存の物を
組み合わせて
便利になる様に形作った
ものは、「実用新案」とされます。

 

車を例にすると、

  • 特許=自動ブレーキシステム
  • 実用新案=チャイルドシート
    (シートベルト+子供用座席)
  • 意匠=車体のデザイン
    (フォルクスワーゲンのビートル
    と言えば思い浮かぶデザイン)
  • 商標=車のマーク

というのが知的財産権の概念です。

 

実用新案の具体的商品

既存の物を組み合わせた実用新案で
生まれた商品には、具体的に
どんなモノ
があるのでしょう?

  • コインカウンター
  • 消費税導入で小銭を効率よく勘定する為、
    コンビニの元店長さんが考案されたもの。

    1円玉から500円玉迄5種類のコインを、
    形状に合わせたプラスチックケースの
    溝に入れます。

    重ねた枚数に合わせて印字された金額を
    読むことで、一目でいくらとわかる
    コインケースです。

     

  • 折り畳めるティッシュの箱
  • 王子ティッシュ(今のネピア)が
    デザインした折りたためるティシュの箱。

    ティッシュが空になったら、
    両サイドにある半円状のミシン目
    指で押し押し込み、

    簡単に上下左右のフラップを開いて
    箱を押しつぶして捨てますね。

    この折りたたみやすい仕組みが、
    実用新案として、ティッシュの箱の
    常識となりました。

  • クイックルワイパー
  • 花王のフローリング用掃除道具でお馴染み。

    柄と本体のジョイント部分に工夫がされ、
    力を入れずに、どの角度からでも
    床の汚れをふき取れます。

 

特許との違いは?

「特許とどうちがうの?」と聞く息子。
夫は、こんな風に教えてくれました。

  • 特許
  • 新しい物(例:消えるインク)、
    プログラム(例:データ解析)、
    方法(例:糖度18%以上の苺栽培方法)

    を保護します。
    特許庁の審査に合格しないと貰えません。

    取得するのに数年と困難な分、
    権利は出願日から20年と長く、

    マネされて権利侵害されたら、
    即座に相手方にやめるように言ったり、
    損害賠償を請求できます。

     

  • 実用新案
  • 新しいや、物同士を組み合わせる事で
    便利さが増したを保護します。
    図面に書き起こせるような物ですね。

    先の例で言うと、実用新案は、

    〇:消えるインク
    ☓:解析プログラム
    ☓:甘い苺の栽培方法

    という具合で、物のみ保護の対象です。

    出願すれば審査無しに権利を貰えます。
    取得に数か月と短い分、権利は出願日から
    10年と短いですね。

    侵害されたら、相手にやめてと訴える以上、
    自分の権利は有効だと証明する書面
    改めて特許庁から貰わないといけません。

    それが無効とされれば、相手方から逆に
    損害賠償を請求されることもあります。

 

さいごに

「特許も実用新案も、まだ誰も作ったり
発表したりしていない
ことが大前提だよ。」
と夫が付け加えました。

 
後日、何かを思いついたらしい息子。
「洗濯物がばっと干しエプロン」
と言う名のエプロンを考案したそう。

いちいち洗濯かごから洗濯物をとって
干す動作が面倒なので、

エプロンに大きなポケットをつくり
そこに洗濯物を入れればすぐに
取り出せるというものらしい。

「素晴らしい実用新案じゃない?」
と興奮する息子に、

「そうね。でもあなたが全部お洗濯
干してくれた方がママは助かるわ。

同じポケットならドラえもんポケット
欲しい。」などと大人げなく返して
しまいました。

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