「ごちそうさま」の意味とのろけ話との微妙な関係

先日のことです。
職場の人たちと、いつものように、
ランチをしていたときのこと。

 
Aさん(50代女性)が、
「今日の仕事帰り、お父さん(ご主人)が
 車で迎えに来てくれることになって」

と、そんな話を始めました。
昼下がりの、何気ない会話です。

すると、その場にいた誰かが、なにげなく、
「あらあ、ごちそうさま♪」
と明るい声を上げました。

 
すると、途端に、Aさんの表情が
曇ってしまった
んです。

その場は和やかな空気に包まれて
あちこちで笑いが起きていたんですが、
Aさんは押し黙ってしまいました

 

20代~70代まで、幅広い年齢層の、
女性ばかりの職場です。

みんな顔なじみ。
長年、共に仕事をしてきた仲間。
昨日今日知り合った仲じゃない

 
でも、「ごちそうさま」と言われた後の
Aさんの表情は、すぐれませんでした

気になったので、自分ひとりの心の中に
留めておくつもりで

少しだけ調べてみました。

のろけ話に「ごちそうさま」
みんなはどう思ってるの?

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「ごちそうさま」の意味

まずは、「ごちそうさま」という
言葉について……。

 
「ごちそうさま」は漢字だと
「御馳走様」と書きます。

馳走とは「走り回る」という意味で、
古い書物にも登場する言葉です。

古くは、
あちこち奔走して面倒をみる、世話をする、
という意味だったようです。

 
それが、時代が進むとともに、
「食事の支度のために奔走する」という
意味が生まれてきました。

おもてなしの席のお世話をするために、
美味しい食材を集めてきたり、
方々に走り回る、という意味です。

馳走とは、おもてなしする側が
手間暇かけて、心をこめた食事、

という意味に変わっていったのです。

 
さらに時が経って、用意された食事に
対して、感謝の気持ちを述べる言葉として
使われるようになりました。

「御」や「様」をつけて、「御馳走様」と
なったわけですね。

「お腹一杯いただきました」

とすると、自分で作った食事に対して
「ごちそうさま」と言うのは
おかしいのかな?

コンビニで買ったおにぎりでも?

 
もちろん!「ごちそうさま」です。
自分の労を自分でねぎらっても
よいではありませんか。

おにぎりもカップ麺も、
誰かの手間と時間がかかっています。

自然の恵みへの感謝の気持ち
日本人の原点です。

 

おっと、話が逸れてしまいました。

とにかく、「ごちそうさま」には
長い歴史があり、使われる場面が徐々に
食事の場に絞られてきたわけです。

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「ごちそうさま」もうひとつの意味とは

のろけ話や自慢話のときにも、
「ごちそうさま」を言う人がいます。

最初にお話しした、Aさんの例がそうです。

 
では、いつ頃から、のろけ話などのときに
「ごちそうさま」
と言うように
なったのでしょう。

残念ながら、はっきりしたことは
わかりませんでした。

でも、のろけ話や自慢話のときの
「ごちそうさま」の意味・解釈
大きく分けて2つ、あるようです。
 

1つめは、

幸せな話を聞いて、こちらも幸せな気分。
幸せとは=満腹・お腹一杯なこと。
幸せな話→ごちそうさま!

 
2つめは、

幸せな話を聞いて、何だよ!妬ける!
もう!なんか美味しいものごちそうしてよ!
幸せな話→(先に言っとくよ)ごちそうさま!

 
どちらもそれっぽいですね。

それに、どちらも、微笑ましい場面が
目に浮かびます。

でも、よく考えてみると、
「はいはい、もうその話終わりにしてよね」
「もう聞きたくない。終わり終わり」

そんなふうに受け取られる可能性も
ありそうです。

 

のろけ話に「ごちそうさま」は不快?

「ごちそうさま」の言葉の歴史を辿ってみると、
のろけ話の場面で使っても、アリかな、って
思えるんですが……。

「話の腰を折られた」と感じる人も
多いのかもしれません。

 
せっかく、聞いてもらおうと思って
話し始めたのに……。

話の途中で「ごちそうさま」なんて言われたら
それ以上、続けることはできませんよね。

それに、もうひとつ。
のろけ話のつもりじゃなかったのに、という
場合もありそうです。
 

最初にお話ししたAさんの場合ですと……。

単に、ご主人が迎えに来るという話が
したかっただけで、のろけたつもりじゃ
なかった
のかも。

それなのに「ごちそうさま」と言われて、
「あっ、のろけたと思われたんだ、
そんなつもりなかったのに」
と思ったのかも。

それで、黙ってしまったのかもしれません。
 

「ごちそうさま」は素敵な言葉

のろけ話のときに「ごちそうさま」と
最初に誰が言ったのか、わかりませんが……。

「いいなぁ、うらやましい」という気持ちを
最上級の表現で伝えたくて「ごちそうさま」と
言ったんじゃないかなぁ、と思うんです。

それが、長い時間の中で、だんだん、不快感を
生むようになってしまった
のではないでしょうか。

本来「ごちそうさま」は
感謝の気持ちのこもった
素敵な言葉
のはず。

ちょっとしたボタンの掛け違いで、
「ごちそうさま」という言葉自体を
不快に思ってしまうなんて……。

悲しいです。

 

終わりに

最初にお話しした、職場のことですが、
特にギスギスした様子はありません。

今まで通り、みんなで助け合って
激務をこなしています。

 
私が、今まで遭遇してきた、
のろけや自慢話シーンでの
「ごちそうさま」は……。

決して、不快なものではなかったと、
そう思っています。

 
とはいえ、
まわりを不快にする可能性がある、
ということも、理解できました。

「ごちそうさま」という言葉の使い方、
気をつけていきたい、と思います。

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