あなたは映画を見ますか?
映画って楽しいですよね。
私は主にアニメーション映画を
見る人ですが、いつも、気になった作品は
必ずチェックしますし、何度も見ます。
それこそ、家族に「それ何回目?」と
呆れられるくらいにその世界が好きです。
ジブリシリーズにディズニー、ピクサーの
作品もたまに見ては子供に戻って
楽しんでいます。
そんな映画ですが、制作するにあたり
必ずあるものが必要になります。
それが、あらすじ(プロット)です。
今回は映画の核を成すあらすじについて
少し掘り下げ気味に書いていこうかなと
思います。
あらすじってなに?
まずは基本的な知識について。
あらすじと言うのはご存知の通りでは
ありますが、大まかな話、物語の
軸や柱となる流れを文章化したものです。
物語や考えを簡略化してだいたいの流れを
作品を制作してくれる人に見て、理解して
もらうためのもの、それがあらすじ。
本当なら、その世界を生み出した親としては
作品をすべて見てもらい、感じてもらいたい
でしょうが、時間は有限です。
忙しい制作所さんだと毎日のように新しい
企画書が持ち込まれてきます。
そこに長々とした脚本を持ってこられたら
「うげっ」って思いませんか?
なので、短時間で、その世界に触れてもらえる
あらすじというのはどうしても必要で
脚本家の中では最低限の能力としてあります。
あらすじに重きを置くのは常識
あらすじを書く上で、たまに作品が
面白ければあらすじは書くだけ時間の無駄
だと主張する人がいるかと思います。
ですが、そうした人はけっして良作どころか
作品を完成させることすらできません。
まあ、ごくごくまれに奇抜な異才で
作品を作る天才はいますが
それは超が5つつくくらいのレアケースです。
最初にあらすじを決めないというのは
作品全体を無秩序なものに陥らせることを
招いているということです。
話の大まかな展開、これを決めていないと
話は作ろうとしても作れないのです。
なにから始まってなにに落ち着くのか。
物語の重要な主流を作者が押さえて
いないのは致命的と言えます。
漠然とした想像は創造することが
できませんということを初めに
お伝えいたします。
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冒頭を作る
まず、物語を書くのに必要なのは冒頭です。
これが決まっていないとどこから
始めていいのかわかりません。
主人公がなにかに駆られることで物語は
動き始めますので、ここは躍動感を
持たせ、一気に物語を進めます。
ジブリアニメ「紅の豚」はとてもいい
あらすじ書きのお手本になるかと思います。
映画放送開始してすぐに始まる迫力ある
飛行艇での空中戦!……いえ、冒頭は
へぼ空賊をポルコがやっつける感じですが。
この冒頭部分だけでこの物語の世界観が
なんとなく伝わるかと思います。
ああ、飛行艇での戦闘ものなんだな。
豚のクセにかっこいいんだな、とかです。
ここで、読み手の心にグッとくるものを
与えると続きを読みたい(見たい)
という気持ちになってもらえます。
事件が起きる
事件、というのは言い過ぎかもしれません。
正確には物語に重要な変化や異変が
起こるのが冒頭の次の部分。
先にあげた「紅の豚」の例でいくと
エンジンが不調になった愛艇を整備するのに
ポルコはミラノに向かいます。
その道すがら、空賊連合が雇った用心棒
アメリカ艇のカーチスに急襲され、なんと
エンジントラブルで撃墜されてしまいます。
今まで無敗を誇っていた賞金稼ぎの敗北と
いう事件です。
ここで、主人公が屈辱の味を知ることで
完璧な者はいないし、こんなかっこいい
主人公でも些細なことで敗れてしまうんだ。
と、こうした印象を読み手に伝えます。
果たして、ここからどうやって主人公は
名誉やプライドを取り戻していくのか。
さらに物語の先を知りたくなる事柄ですね。
転換点を作る
事件を起こした後は物語の転換をしましょう。
事件によって起きた屈辱を晴らす機会を
作って、それに主人公がどうやって
立ち向かっていくのかを描きます。
「紅の豚」でいうところの、これは
カーチスとの再戦です。
ミラノでパワーアップした艇を
手に入れたポルコは無事にアドリア海に帰還し
自身の隠れ家で空賊連合と対面します。
そこで、ポルコの艇を直した
設計主任のフィオの提案で
ポルコとカーチスの決闘が決定します。
お互いに掛け金を決め、それに自分の誇りを
かけて勝負するという内容です。
これは読み手も盛り上がること請け合いです。
結末を描く
最後は物語の結末を描いて終わります。
あらすじは最後の結末まで書ききることが
重要ですので「結末やいかに……!?」
と、いうようなフリは不要です。
最後まで、丁寧に書いていきましょう。
「紅の豚」は2人の対決がドッグファイトから
殴り合いに変化し、飛行艇は?という感じに
なっていますが、そこは面白いのでオッケー?
最後の最後はポルコが勝利して
掛け金だったフィオを守って、その後
イタリア空軍の登場で決闘は終わります。
最後はフィオの語りでいろいろなことが
あったということが語られ、ジブリ映画に
あるあるな最終的にどうなったのかな?
ということが語られずに幕となります。
ポルコは人間に戻れたのか、ジーナと
結ばれたのか明かされないまま鑑賞者に
最後を想像させる感じに終わっています。
ただ、今でもアドリア海にあの紅い飛行艇が
飛んでいるというのをラストに入れて物語を
締めているのが素晴らしいです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は「紅の豚」をお手本にしてみましたが
あなたのお気に入りの映画があればそれで
あらすじの書き方を勉強してみてはいかが?
あらすじを書くにあたって難しいのは
冒頭部分をどれくらい力強く描けるか
だと思います。
あらすじというのは物語の要約です。
好きな映画の冒頭をどのように作者が
描いているのか、じっくり鑑賞してみて
技を盗みましょう。
だいたいの場合においてはその物語の
世界観を語っていたり、話のきっかけを
描いています。
「ダイ・ハード4」だと、ハッカーたちが
ある仕事をして、殺されていくという
衝撃的な始まり方をします。
このように、人を瞬時に惹きつけるような
語り口もありだと言えます。
あらすじの書き方は人それぞれですが
書く時のポイントは共通しています。
- 冒頭を作る
- 事件が起きる
- 転換点を作る
- 結末を描く
この4つの基本を守ってあらすじを書いて
みましょう。
冒頭で世界観や事件のきっかけを作り
事件を起こして主人公を奮起させ、転換し
結末につなげる。
と、簡単そうに書きましたが
これってかなり難しいです。
映画を見ている時でも、どこらが冒頭部分で
ここが事件で、転換がここにあって結末が
こうだな!とすぐにはわからないと思います。
こればかりは経験を積むしかないのですが
書き方としてはこんな感じです。
これから映画のシナリオを描いてみたいと
いう方はちょっと参考程度で
いいので、これらを踏まえてみてください。
少しだけでも、お役に立てれば幸いです。
わからなくなったら、映画の名作を見て
とことん勉強してみるのも手だと思います。
映画というのはあらすじの塊のような
ものですからね。
原作と併せて見るとなおのこと
それが、あらすじを純粋に拾ったもので
あるとわかるかと思います。
では、これらのことがあなたの
よき作家ライフに少しでも
役立ちますように祈っています。
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