お昼休みに、会社の後輩のAさんに、
お子さんのことで、ちょっと相談に
乗ってほしいと、話しかけられました。
A「実は昨日、小学校4年生の息子と、
『宿題をやる、やらない』ということで
ちょっとした口論に、なっちゃんです。」
彼女によると、宿題は
『漢字書き取りを、ノートに3回ずつ
練習してくること』だったそうです。
A「その時息子が、
『どうしてもう覚えている漢字を、
何回も書いて、練習しなくちゃいけないの?』
と愚痴り始め、練習する意味がない
というようなことを、言い出して
宿題をやろうと、しなかったんです。
確かに息子は、その字を間違えずに、
キチンと書くことが、できます。
じゃあ何のために、練習するのか?
私はちゃんと息子に、答えることが、
出来ませんでした。
『みんなも、やっているんだからやりなさい!』
『宿題をやらないと、自分の成績が下がるんだよ!』
と叱ったんですけど、
どう考えても、私の言っていることの方が、
理不尽だと、自分でも分かっています。
学校の宿題を、ちゃんとしなくっちゃ
いけないことを、どんな風に子供に
教えればいいんでしょうか?
何だかすっかり、自信が無くなって
しまって…。」
私「う~ん。中々難しい問題だね。」
学校の宿題と言うのは、勉強にあまり熱心でない
家庭にとっては、唯一の子供の勉強時間だと
いうこともあり得るし、
逆に他の家庭学習や、習い事なんかを
山ほどさせている、家庭にとっては、
時間の無駄に、思えることもあるでしょう。
難しすぎたり、簡単すぎたり、
少なすぎたり、多すぎたりと、
『学校の宿題をする意味って、
一体なんだろう』と悩んでいる
親御さんも、少なくないのではないでしょうか。
私「私も、娘が小学校1年生の終わり頃、
『おウチの問題集の、お勉強は楽しいけど、
学校の宿題は、やりたくない。』
と言われて、悩んだことがあるの。
そのとき、小学校の先生をしている友人に、
色々相談に、乗ってもらったことがあるの。」
宿題とは
国語辞書などによると、宿題とは、
『学校における学習の、
補足・定着・準備などを目的として 、
児童・生徒に課す、家庭学習・家庭作業。』
となっています。
宿題を出す意図は、学校や教師によって
様々あると、言われていますが、
小学生の場合、その主な目的は、
大体、次のようなものだと
されているようです。
宿題の目的
・家庭でも必ず一定時間、机に向かう習慣を
身に付けるさせること。
・漢字や計算問題といった、知識の定着や
技能の向上のため。
・自分自身で勉強し、考える習慣を
身に付けさせるため。
・授業内容の復習し、理解を深めるため。
・授業の理解度の、確認のため。
私「『勉強しなさい!』っていう言葉は、
親なら誰もが一度は、言った覚えが
あるんじゃないかしら。
勿論子供の方も、言われたことがない
というほうが、少数派なんじゃないのかな。
とはいえ、いざ実際に勉強をしようとなった時、
どんな風に勉強を、すれば良いのか、
意外と悩むもんじゃ、ないかしら。
だけど宿題があれば、それが勉強になるから、
親としても
『子供にどんな勉強を、
させたらいいんだろうか?』
と悩む必要も減って、
結構有り難い、存在なんじゃないかしら。
つまり先生方は、家庭での自己学習の時間を、
有効に活用させるための、サポートとして宿題を、
課していらっしゃるとも、考えられるわけよね。
その他にも私なんかは、家で子供が
宿題をしていると、
学校で今子供が、どんな教育を受けているのか、
とか、子供の勉強レベルはどれくらいなのか、
とか、確認できたりして、
親子のコミュニケーションツールとして
案外大切なものだな~って、
感じたりも、していたものよ。
だけど、そんな風に色々と
役に立ってくれる、宿題にも
勿論、問題点はあるの。」
宿題の問題点
私「勝気な子もいれば、のんびり屋さんもいる。
一を聞いて十を知る、ような子もいれば、
何度同じことを説明しても、中々理解に
時間がかかる子もいる。
こんなふうに、小学校のクラスには
様々なタイプの子供達がいるわよね、
その子供達に、一斉に同じ宿題を
出すわけだから、
習熟度の高い、子供にとっては、
学校の宿題の中には、無駄と感じられるものが、
少なくないのも、仕方ないわよね。
そして皮肉なことに、もう十分に学習習慣が
身についていて、宿題なんてする必要のない子供ほど
真面目にやってきて、
逆にぜひ家庭学習して、基礎・基本の定着を
してきて欲しい子供ほど、宿題すらやってこない
というのが、現実だったりするのよね~。
又、学校の宿題が必ずしも、
家庭の教育方針と、一致するとは
限らないというのも問題よね。
特に最近、問題になっているのが、
塾やお稽古事と、学校の宿題との関係。
最近の小学生は、ゆとり教育前の授業の内容を、
ゆとり教育と同じ、土曜日が休日の授業時間内で
済ませなければならないから、
6時間授業の日が、増えたり、
塾やお稽古事で、時間を取られている、
子供も多くて、
とても忙しい生活を、送っている場合も、
多いんだそうよ。
そんなとき、宿題の多い学校や、
学校の担任の先生が、宿題好きなんかだと、
塾の宿題と合わせて、宿題の総量は
かなりのものに、なるんだそうよ。
毎日の宿題はともかく、夏休みなんかは
『こんな量の宿題を、とても全部
終わらせることが、できない!』
と嘆いている、親御さんも少なくないそうなの。
そんなとき、教育熱心な家庭ほど、
どうしても、面倒になりがちなのが
学校の宿題。
小学校の先生をしている、友人によると、
『母親が宿題の解答を、用意して、
子供はその解答を、写すだけ。』
という家庭が、あるかと思うと、
『書ける漢字の書き取りとか、
何の意味があるのか!』
『誰でもできる計算問題を
山のように、宿題として出すな!』
というクレームを入れてくる、保護者までいて、
参ってしまったそうよ。
その一方、
『宿題がないと、子供が勉強しないから、
もっと宿題を増やして!』
っていう、保護者もいるそうで、
中々一筋縄では、いかない問題よね。」
A「そうなんですね。
学校の宿題に関して、悩んでいらっしゃる方は、
結構いらっしゃるんですね。」
私「そうなの。結局この問題を解決するには、
学校でまず、習熟度別のクラス編成にでもして、
基礎・基本の定着が不十分で、
反復課題を出さないと、できない
子供向けの宿題と、
そうでない子供向けの、発展的な宿題を
分けるべきなんでしょうけど、
まぁ~まず、こんなことは実現しそうも
ないでしょうから、
まずは、無駄と感じてしまう宿題を、
どう考えればいいか、という問題の解決を
優先すべきよね。」
その宿題は本当に無駄なの?
私「『覚えていない漢字を、
3回練習してくること』なら、
練習する意味が、あると思うけど、
書ける漢字を、何回も練習するのは、
意味がない、無駄な努力としか思えないという
息子さんの意見は、至極もっともよね。
効率だけを追い求めるなら、確かに
学校の宿題は、無駄なものも多いのも事実。
でもね、我が家では、
この世に意味のないものは、何もないと、
考えるようにしているの。
結局のところ、学校の宿題はそれぞれの家庭が、
うまく子供の学習へ、つなげてやれば
それでいいんじゃないか、と考えているの。
例えば宿題以外、勉強なんて全くしない、
という子供なら、宿題だけは必ずきちんと
やっていこう、と話をすればいいはずだし、
逆に問題集をこなしたり、塾へ通っていたりして、
既に学校の勉強の内容は、完全に把握している
という子供にとっても、
宿題をすることは、いい復習の
チャンスになるはずよ。
こんなこと、宿題でなければさせないのに、
と思うような課題が、出されれば、
それは子供にとってまさに、
学習の幅を広げる、いいチャンス。
決してやっていて、損はないはず。
私は、これまでの経験から、
例えどのような、宿題であれ、
よほどのことが無い限り、
百害あって一理なし、なものなど
ないと思っているの。
宿題は、家でするべき課題として
学校からだされるもの。
忘れてしまうのは、当然論外だけど、
無駄だからという理由で、わざとさせないのも
また頑なな態度だと、思うわよ。
勿論、学校から出された宿題だからという
理由だけで、無批判に受け入れるばかりが
いいとも思わないけど、
意に反する事に関しても、自分なりに消化して
うまく利用することは、どんなことにも、
必要なんじゃないかと
年を取れば取るほど、つくづく痛感しているわ。」
A「なるほど。
もう書ける漢字を、練習することも、
息子にとっては、大切な復習の時間。
決して、無駄なんかじゃないって
言うことなんですね。」
私「具体的に、私がやっていたのは、
学校の宿題は、帰宅後一番にさせること。
学校の宿題は、頭を働かせるための
ウォーミングアップとして、
毎回さっさとすませて
その後、娘の好きな問題集や、
新しい勉強に、取り掛からせてたわ。
娘も小さい頃は、世の中理屈にあわなくても
しなくてはいけないことが、あるということを、
多分理解できて、いなかったんだろうと思うけど、
娘が中学生になった今、宿題というものを、
本人がちゃんと、やろうとしていれば、
親が課題の中身や、提出日などの
具体的なことを、把握していなくても、
特に学校の授業で、困っていることはないようよ。
勉強を家でするという、基本的なことが
身についてくれた、おかげでしょうね。
娘も、今では宿題を出してくれた、
小学校の先生方に、感謝しているようよ。
子供に宿題の意味を、分からせることは、
小さい時は、大変だとは思うけど、
ある程度の年齢になれば、
分かってくれるかも、しれないなぁ~
くらいの気持ちで、
子育てに望んでみたら、どうかしら?」
まとめ
子供たちにとって、宿題というのは
できればやりたくない、と思う存在ですよね。
私も子供のころは、
「何でこんなの、やらないといけないの?」
って思っていました。
小学校の先生をしている友人によると、
宿題というのは本来、正解を求めて
出しているのではなく、
「考える」という機会を、持って欲しい
ために出しているのだ、といいます。
つまりは、勉強して欲しいということであり、
決して全問正解を、求めている訳ではなく、
どれだけ勉強に時間を、費やしたか
ということのほうを、重視しているのだそうです。
大人になった今、学校で学んだ知識のうち、
私にとって間違いなく、役に立っているのは、
小学校の算数と国語、くらいかな~という気もします。 (〃ノωノ)オハズヵシィ
学校の宿題、確かに効率の悪い面も
多々あるでしょうが、勉強嫌いな私には
間違いなく、有り難たい存在だったんだな~と、
つくづく思い返しています。
実は多くの宿題を、課してくれる先生の方が、
長い目で見た場合、
「教育」を行って、くれていたことを、
理解できるまで、えらく長い年月が
かかって、しまいましたがね。
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