長い間連れ添っていると、
別れてしまいたくなることって、
どんな夫婦にも、一度や二度ありますよね。
恋愛とは違って、結婚となると
相手の良い面ばかりでなく、イヤな部分も
全て見えてしまうもの。
私の大学時代からの、友人A子が
今、正に離婚の危機に、苦しんでいます。
先週久しぶりに、大学時代の
仲良し4人組で集まって、飲み会を開きました。
その席で、A子の様子が
明らかに、おかしいのです。
よくよく話を、聞いてみると
夫に離婚を、切り出すべきか、
悩んでいるのだと、いうのです。
全員、驚きました!
私達の中でも、最も仲の良い
おしどり夫婦で、通っていたA子夫妻。
結婚10年目で、やっと授かった子供。
子煩悩な、旦那さん。
「一体どうして?!」
きっかけは、子供が生まれたこと。
初孫が、かわいくてたまらない、
姑の過干渉が、エスカレートして
耐えられなくなったと、言うのです。
「頼りにならない主人に、不信感しか
抱けなくなってしまったの。
子供のことを考えると、
安易に離婚したくないものの、
今のままでは、とても修復するとは思えないし・・。
新しい人生に、踏み切るべきか迷っているの。」
A子への同情の言葉を、口にする私達。
そんな中、B美が声を上げました。
「離婚して損をするのは、大概女のほうよ。
とくにA子は、専業主婦でしょ?
しかも、小さい子供がいる。
離婚すれば、即『お金』の問題に直面する
ことになるわよ。
住むところを確保して、
子供と二人で、食べていくだけの
収入を得るのは、大変なことよ。
ウチは、姉が子連れで離婚したから、
苦労をいやというほど、見ているの。
可能であれば、第三者に間に、入ってもらうとか、
一時的に別居するなりして、夫婦関係を
修復する方向を見つけるのが、理想的だと思うわよ。
ただ、修復することにこだわりすぎて、
今後ずっと自分を殺して、耐えるだけの生活を送る
というのも、とても辛いわよね。
万一、離婚という結果に至る場合でも、
一時の感情で、離婚してはダメよ。
離婚するなら、事前の準備が肝要よ。」
離婚への準備
「とにかく、第一に自分が自由に使える
お金を用意してね。
まず最初に、始める必要があるのは、貯金よ。」
貯金を始める
離婚をする前に、コツコツ節約をし
ヘソクリをしておく。
働きに出て、お金を貯めておく等
まとまったお金を、用意しておくと助かります。
離婚調停がもつれれば、
弁護士費用も、掛かるかもしれないし、
別居のための引越し代も、考えておく必要があります。
「それから、離婚前から働き先を、確保しておくことを
お勧めするわ。」
働き先の確保
専業主婦期間にもよりますが、
あまりにも、働いていない生活が長い場合、
離婚後にいきなり、仕事を探したり
働き始めたりするのは、リスクが大きいです。
離婚をする前に、何らかの働き先を
確保しておくと、安心です。
先ずは、パートからでも良いから、
働く事に、慣れておきましょう。
職がある、というのは今後の生活において
非常に心強くなります。
「それから、離婚では相手に請求できるお金が、
3種類あるの。
いずれも、こちらから請求しなければ、
もらえないものばかりだから、注意してね。」
離婚で請求できる3つのお金
・慰謝料
慰謝料とは、婚姻関係の破綻の原因をつくった
配偶者に対して、請求できるお金のことです。
自分には、全く落ち度がないのに、
相手の浮気や、暴力などによって離婚する場合、
慰謝料を、請求できます。
婚姻関係の長さや、その間の関係で変わってきますが、
一般サラリーマン家庭では、100~300万円、
多くても400万円前後と、言われています。
ただ離婚の理由が、「性格の不一致」や
「家族との、折り合いが悪い」といった場合、
目に見える指針と、なるものがないため
判断は難しく、一般的に慰謝料は発生しません。
「A子の場合も、残念だけど
慰謝料の対象には、ならないと
考えたほうが、いいでしょうね。」
・財産分与
それまで夫婦でいる間に、築いてきた財産です。
家や車などの固定資産、貯蓄などがこれにあたります。
これを割合に応じて、分割や分与をすることを
「財産分与」といいます。
収入が夫か妻の、どちらか一方にしかない場合でも
財産分与の権利が、あります。
更に、例えば銀行の口座の名義が、
夫のものに、なっていたとしても、
妻が財産分与を、受ける権利はあります。
なぜなら、妻の協力があったうえで貯めた、
夫婦共有財産と、考えるためです。
「今のうちから、財産分与できる資産の状況を
確認しておくことが、大切よ。」
・養育費
未成年の子供を、育てるための費用です。
子供が健全に社会人として、自立するまでに
必要な全ての費用で、
衣食住の費用、教育費、医療費などが該当します。
離婚した場合、父母のいずれかが、親権者となりますが、
子供を引き取るかどうかや、親権の有無に関わらず、
子供に対して養育費を支払う、扶養の義務があります。
養育費は、夫と妻の年収、年齢、
子どもの数、年齢等によって、違ってきます。
統計によると、母子又は、父子家庭に支払われた
養育費は、母子家庭で月額平均約4万3000円、
父子家庭で約3万2000円と、なっています。
養育費の支払い期間は、「高校を卒業するまで」とか
「大学卒業まで」など、親の財力や家庭環境によって
変わります。
「それと同時に、親権についても考えておく
必要も、あるわよ。」
親権について考えておく
子をもつ夫婦が、離婚を検討するうえで、
最も大切なことは、子の親権をどちらがもつか
ということだと、思います。
離婚前の段階では、どちらが親権をもつことが、
子にとって最善かを、真摯に考えましょう。
自分が親権を持つほうが良いと、考える場合は、
その理由を列挙して、整理してみるのもいいですし、
夫も親権を、主張してきた場合に、
どのように説得するかを、考えてみることも必要です。
「専業主婦であり、収入が少ないから
親権を主張できないと、考える必要はないのよ。
子供を育てる事ができる、愛情を持っている、
子供から信頼を得ている、などを証明できれば
母親が親権を、得られことが多いの。
特に、子供が義務教育を、受ける年齢に
達していない、幼児の場合は、その傾向が強いので、
万一、裁判になってしまっても
臆せず自分の意見を、主張してね。
これら親権、慰謝料、財産分与、養育費については、
離婚をする際に、きちんと話し合って
決めておく必要があるわよ。」
離婚時の話し合い
お互いに話し合って、金銭の支払方法や、
支払いの期限なども含めて、
決めておくことが、重要です。
取り決めたことは、必ず離婚協議書として
書面に残しておきます。
この離婚協議書は、公正証書にすることを
お勧めします。
そうすれば、相手の支払いが滞ってしまった場合、
裁判や調停を経ることなく、給料の差し押さえなどを
強制的に執行できます。
「それ以外にも、生活保護、児童手当、扶養手当、
育成手当て、住宅手当、医療費助成制度など
シングルマザーの子育てを、助けるための
助成金や手当てが、結構沢山あるのよ。
離婚する前の、時間に余裕があるうちに、
地域の役所に確認したり、
ネットなどで、調べてみるといいわよ。」
終わりに
一般的なサラリーマンの妻、専業主婦生活10年以上、
そこそこ手のかかる年齢の子供が有り、
性格の不一致で離婚、という場合、
どう考えても、経済面はそれまでの生活とは
一変してしまうことを、覚悟しなければ
ならないでしょう。
「もうこの人とはやっていけない・・」、
という気持ちも、わかりますが、
決して「一刻も早く離婚したい」という
感情だけで、行動しないように。
離婚することだけに、全力を集中していると、
その後の生活で、行き詰ってしまう可能性も
大きいです。
そんなことにならないためにも、
多少時間が掛かっても、本やネットで情報を収集し、
賢く離婚することを、考えてみましょう。
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