昔話に登場したり、俳句の季語としても
有名な、日本の果物と言えば、柿です。
古い記録では、「古事記」や、
「日本書紀」にも、その名が記されるほど、
柿は、日本人の生活に、なじみ深いものです。
一口に柿と言っても、その品種は多様で、
収穫時期も、味わいもさまざまです。
今回は柿のおもな品種と、その収穫時期について、
お話していきましょう。
渋柿と甘柿
柿の品種はなんと、1000品種以上もありますが、
大きくは、甘柿と渋柿の、2種類に分けられます。
渋柿は、その名の通り、
熟した状態でも、渋が残る柿です。
一方の甘柿は、熟すにしたがって、
渋が抜け、甘くなります。
もともと、柿はすべて渋柿だったのですが、
突然変異種として、甘柿が生まれた、
と考えられています。
完熟しても、渋がやや残る柿を、
「不完全甘柿」と、呼ぶこともあります。
不完全甘柿は、アルコールや、
炭酸ガスを使い、渋抜き処理をしてから、
生食用として、出荷されます。
干し柿にすると、渋は自然に抜けるので、
干し柿のほとんどは、渋柿で作られます。
そして、不思議なことに、甘柿は、
平安時代に、日本で偶然発見され、現在でも、
日本と中国の一部にしか、生育していません。
日本人と柿の、なんとも不思議な、
結びつきを、感じてしまいますね。
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主な品種と収穫時期
では、市場に出回っている柿の、
おもな品種と、収穫時期について、
お話していきましょう。
甘柿…新秋(しんしゅう)、西村早生(にしむらわせ)
渋柿…刀根早生(とねわせ)
早生品種の中でも、最も早く収穫されるのが、
8月下旬から9月に、旬を迎える、
「新秋」という品種です。
甘みも強く、美味しいと注目されていますが、
雨に弱いことから、ハウス栽培が主で、
そのために、収穫が早いのです。
甘柿…次郎(じろう)、陽豊柿(ようほうがき)
渋柿…四ツ溝(よつみぞ)、平核無柿(ひらたねなしがき)
次郎柿は歯ごたえがよく、硬めの食感が、
特徴の、品種です。
平核無柿はその名の通り、種がない品種ですが、
改良をしたのではなく、もともと種がありません。
山形県で、「庄内柿」と呼ばれるのは、
この、平核無柿です。
甘柿…富有(ふゆう)、花御所(はなごしょ)
渋柿…愛宕(あたご)、横野柿(よこのがき)
日本で最も広く生産・出荷されているのが、
晩生品種の、富有柿です。
実がやわらかく繊細で、甘みも強く、
果汁もたっぷりと、含んでいます。
とがったお尻と濃いオレンジ色が特徴の、
愛宕柿は、渋が抜けにくく、生食用よりも、
干し柿用として、出荷されます。
干し柿にすると、深い甘みと、
きめ細やかな、食感が生まれ、
干し柿の中でも、一級品とされます。
調べていく中で、私が驚いたのは、
やはり、柿の品種の豊富さです。
今まで何気なく、スーパーなどで、
手に取っていた柿も、品種を気にしたことは、
これまで、あまりありませんでした。
これだけ品種が豊富で、味わいも、
個性豊かな、果物ですから、
今年はぜひ、その味の違いを、
じっくりと、味わってみたいと思います。
柿の種類は沢山書いてありますが写真がないので良くわかりません。